来年に向けて今から予習!人混み苦手なあなたにもおすすめの穴場花火大会「いたばし花火大会」で花火写真を撮るための5つのポイント
普段の撮影では構図を見極めてばかりであまりシャッターを切らないポンコツカメラマンの私ですが、さすがに花火の撮影では数百枚単位でシャッターを切ります。すなわち泣きながら現像しても現像しても一向に終わらない日々が続いており、やけになって酒を飲んでます。どうもこんにちは。
このような現像地獄からの逃避、および写真撮影の趣味を始めてから2度目のいたばし花火大会でコツがつかめてきたので、この場を借りて紹介していきたいと思います。今年はすでに終了してしまいましたので、来年に向けての知識として覚えておくと吉です。
いたばし花火大会とは
くわしく知りたい人はWikipediaを見てください。(手抜きですんません)
こちらの「いたばし花火大会」ですが、最寄駅が都営三田線西台駅/高島平駅と、都心からは少々アクセスしづらい場所で開催されることもあり、花火大会の規模(今年2013年は11,000発)に対して比較的混雑度が低い、というのが大きな特徴となっています。
もちろん、我らが横浜みなとみらいの花火大会や、隅田川花火大会のようなメジャー処に比べれば規模は小さいものの、それでも十分すぎるくらいの量の花火が打ちあげられますし、何より至近距離の大迫力の打ち上げを気軽に楽しむことが出来るという点で、非常に親しみやすい花火大会であると言えるでしょう。
私はかつて開催場所の近隣に住んでいたということもあり、写真撮影を趣味とするよりも昔の5、6年前から毎年(震災の影響で開催中止となった2011年を除く)足を運んでいます。
ポイント1: 撮影場所は高島平駅寄りの「野草広場」がおすすめ
いくら混雑度が低いとはいえ、当日はそれなりに多くの人が集まります。人が多ければ多いほど、撮影時にもより周囲に意識を払う必要が出てくるため、せっかく人が少ない花火大会を選んだわけですから、「出来るだけ人が少なく」かつ「花火をファインダーに捉えやすい」場所を選ぶ必要があります。
私がおすすめしたいのは、荒川河川敷の最も高島平駅側にある「野草広場」と言われる場所です。
「野草広場」というだけあって、足元には大量の野草が生えています。天候によっては一部足場がぬかるんでいたり、草が刈られておらず藪のようになっていたりする年もありました。今年は比較的しっかりと整備されていたように思えます。
ここから少し西側に進んだ「芝生広場」であれば足場も良くなりますが、その分混雑度はアップします。上の写真で遠くに見えるのがその芝生広場ですが、相当数の人がスタンバイしていることが明らかに見て取れるかと思います。よって、人混みが苦手な方には野草広場のほうがオススメです。
ギリギリの時間帯に来場しても撮影ポイントを確保出来ないことはないのですが、来場済みの人の前に割り込んで三脚を立てて撮影するのはあからさまに迷惑です。なので、出来る限り人の少ない早い時間帯に来場して、自分なりに満足出来そうな撮影ポイントをキープしておくのがよいかと思います。
装備としては、動きやすい靴を履いていくことはもちろんのこと、荷物の置き場所を確保するためにも「レジャーシート」は1〜2枚持参しておくのがよいでしょう。虫も結構な数が飛び回っているので、虫刺されが心配な人はその対策も。
なお、Wikipediaに本大会の名物と書いてある「ナイアガラの滝」はこの地点からは見えませんが、そもそもナイアガラは有料席でしか見えない代物なので、気にしないでおきましょう。
ポイント2: 三脚は使い慣れたものを持参する。自由雲台がおすすめ
場所を確保したら、さっそく三脚含めた機材のセットアップに移ります。
三脚の雲台については携帯性や操作性など好みはあるかと思うのですが、個人的には「自由雲台」をセットして臨むのをオススメしたいと思います。
というのも、野草広場に限らず、いたばし花火大会の会場の全ての位置で言えることなのですが、打ち上げ位置にかなり近い位置での撮影となります。そのため、広角の焦点距離で空を広く捉えておくのはもちろんのこと、必要に応じてアングルを変えていくことで、より満足の行く写真を撮影することが出来るから、という理由があります。自由雲台であれば、(もちろん、いつでも動けるという心の準備は必要ですが)小さめの打ち上げ花火やスターマインへのズーミングにも即座に対処することが出来ます。
自由雲台の最大の弱点はやはりなんといっても「水平の維持がしづらい」という点ですが、風景や記念写真を撮るわけでもないので花火撮影ではあまり関係はないかと思います。
昨年は安物の3way雲台付きの三脚を使っていましたが、ズームしたいポイントがあっても容易に向きを変えることが出来ないため、終始向きを固定しっ放しで撮影せざるを得ませんでした。これでもファインダー内に収めることは出来るのですが、やっぱりトリミングが必要になってしまいイマイチなのですよね。
それと、撤収時は真っ暗闇の中で片付け作業を行うことになるため、可能な限り使い慣れた三脚を持っていくのがよいでしょう。何か物を地面に落としただけでも、探し出すのは非常に面倒です。
ちなみに私はというと、全く使い慣れていない新品の三脚を持ち込みました。EOS 6Dを使い始めたため、以前使っていた安物の三脚では積載荷重が足りなくなったためです。
ポイント3: レンズは「標準ズームレンズ」を選択。広角側は換算24mm程度あれば十分
会場の地図をご覧いただければわかる通り、撮影ポイントをはじめ大会会場は打ち上げ地点に近接しています。そのため、一番大きい15号玉の打ち上げを捉えるためには、それなりの広角域が必要となります。が、換算24mm〜30mm程度の焦点距離であれば、地面を含めた打ち上げ範囲全体を捉えることが出来ると思います。
もちろん単焦点レンズでも撮影出来ないことはないのですが、スターマインなどの小物が打ち上げられた時にズーミングで対応出来るメリットを考えると、ズームレンズを選んでおくのが無難かと思います。
こちらは去年(2012年)のいたばし花火大会の写真。トリミングなし、焦点距離は35mm換算にして約28mmです。
少し引き気味のポジショニングであれば、この焦点距離でも充分全体をファインダー内に収めることが出来ます。
昨年使用したレンズはこちらです。EOS Kiss X5のキットレンズながら、充分な性能を発揮してくれました。
Canon EFレンズ EF-S18-55mm F3.5-.5.6 IS II デジタル専用 ズームレンズ 標準
こちらは今年(2013年)の写真。早い時間帯に現地到着出来たこともあり、前年よりも若干前のポジション取りをしています。
直前のスターマインをターゲットに40mm程度に若干ズームしているところ、不意の巨大打ち上げ花火を捉え損ねた、見事な失敗写真であります。
今年使用したレンズはこちら。ご存知EOS 6Dのキットレンズですが、非常に汎用性の高いLレンズです。
Canon EFレンズ EF24-105mm F4L IS USM ズームレンズ 標準
ポイント4: その他は通常の花火撮影の通りなので、詳しくは別途調べてください
三脚にカメラをセットした後は通常の花火撮影と同様です。これについてはネットで検索すればより詳しい情報が得られるかと思うので、ここでは詳細は割愛したいと思います。
ポイント5: 人混みが嫌いなあなたは、退場規制される前に早期撤退を
ここで注意すべきポイントをひとつ。
花火大会が終了した20:45から、大会会場の一部に退場規制がかかり、野草広場から出ることが出来なくなります。
もし退場規制に巻き込まれてしまうと、ゆうに1時間は会場から出られなくなる上、帰りの電車(都営三田線)も激混みで死ぬこと請け合い。
すなわち、退場規制に巻き込まれないためには、遅くとも20:30あたりには撤収出来るよう身構えておく必要があります。
とはいえ、終了間際こそ撮影意欲をそそられるデカい花火がガンガン打ちあがるということもあり、出来る限り会場で粘りたいところではあるのですが・・・そのへんの判断はそれぞれですね。開き直って高島平で飲み明かすという選択肢もなくはないかも・・・?
おわりに
都内随一の穴場花火大会「いたばし花火大会」。
「花火を撮りに行きたいのだけれど、人が多いのは苦手…」という人にはおそらくぴったりの花火大会。というか、この花火大会で無理なら他はもっと混んでるので諦めましょう。
ちなみにこの花火大会、毎年8月第1週土曜日に開催予定、とされているので、興味のある方は来年足を運んでみていただければと思います。
今年2013年のいたばし花火大会の写真に関しては、別のエントリで公開したいと思います。眠い…。